魚の効能

アメリカ人が日本人の魚屋の主人に聞いた。 「日本人は頭がいいというが、一体どうしてなだろう?何か秘密でもあるのかい?」 「簡単ですよ。魚を毎日食べているのです」 「なるほど。では、明日から毎日買いに来るからな」 十日後、先日のアメリカ人が機嫌悪そうにやって来た。 「お前に言われて毎日魚を食べているが、一向に頭が良くなった気がしない。ひょっとして俺を騙したんじゃないのか?」 魚屋はにっこり笑っていった。 「ほら見なさい。十日前よりものが分かるようになったじゃないですか」 日本の金融機関では預金通帳と登録した印鑑を照合することで口座取引を可能としていた。 この仕組みを実現するため、預金通帳の表紙裏面に、登録に用いた印章の印影を転写した印鑑票(副印鑑)が貼付されていた。銀行印の登録原票は口座開設店にあり、登録印鑑の照合ができるのはその店に限られる。そこで、通帳に副印鑑を貼り付けることで、他の店でも印影実印通販の照合、そして口座取引が可能となった。 ただし、印鑑と預金通帳があれば預金を引き出すことができるため、第三者による悪用を防ぐためには印鑑に用いた印章と通帳は別々に保管することが望ましいとされた。 しかし、近年では副印鑑をスキャナで読み取って預金払戻し請求書にカラープリンタで転写したり印影から印章を偽造するなどして、登録に用いた印章を所持せず他人の口座から預金を引き出す手口が現れ被害が後を絶たないことから、副印鑑の貼付を廃止し、代えて登録原票をデジタル情報として蓄積し、いずれの本支店でも参照できるようにして、口座取引をどこでもできるようにする方法が普及しつつある。